魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

『あの……私がこんなこと言える立場じゃないってわかってるんだけど……』


何か言いたげに、口を開いた鈴蘭。


『ルイスさんのこと、幸せにしてあげてほしい……あの、すごく、優しい人だと思うから……』


……っ。


俺は自分の記憶の中でも、鈴蘭に対して散々な行動をした。


鈴蘭を裏切り、常に軽蔑の眼差しで鈴蘭を見た。星蘭を守るためと……鈴蘭が孤立するように仕向けた。


『お前がそんな女だと知っていたら……端から婚約など申し込まなかった』


あんな最低な言葉を吐いた俺を、優しいなどと……。


俺はどうしてこんなにも慈悲深い鈴蘭のことを、卑劣な女だと思っていたんだろう。


『何指図してんのよ!!』