「これがバレたら大変なことになるぞ……」
「ブランから追いやったやつらにも責任があるだろ……!」
「ていうか、女神って本当に実在したのかよ……!」
走って食堂から出て行く人や、口論をしている人たちもいて、その異常な状況に怖くて足がすくむ。
隣にいた夜明さんも、私を見て驚愕したまま立ち尽くしていた。
「夜明さん、あの……」
名前を呼ぶと、夜明さんは我に返ったようにハッとした表情になった。
そしてすぐに私を抱きかかえ、走り出した。
「鈴蘭、ここは危険だ。行くぞ」
一体何がどう危険なのかもわからなかったけど、状況を理解できていない以上、今は夜明さんの言う通りにしたほうがいいと思った。
落ちないように、ぎゅっと夜明さんにしがみつく。
「――鈴蘭!!︎」
……え?
私の名前を呼ぶ声が聞こえて、うしろを見た。