魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

笑顔を向けると、なぜか雪兎さんは私から視線を逸らした。


「……別に」


「あれ~? 雪兎、照れてる?」


「ばっ……黙れ! 照れてない!!」


怒ったように百虎さんに反論している雪兎さんが、なんだか可愛く見えた。


「……やはり、護衛は百虎の妹だけに任せる」


「ち、違いますって……!!」


夜明さんまでからかっていて、いつも通りの和やかな空気に微笑ましくなった。


みんなと話して、少し心が落ち着いた。


こんな幸せな時間が、いつまでも続いたらいいな……。


「それじゃあ、行こっか」


 


寮を出て、ノワールの校舎に入る。