魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

エレベーターを降りて、ラウンジに入る。


いつものように、百虎さんと雪兎さんの姿があった。


「鈴ちゃん、おはよう」


姿が変わってから、会うのはまだ2回目なのに……何事もなかったかのように接してくれる百虎さん。


雪兎さんもいつも通りで、ふたりの優しさを感じた。


「夜明の実家はどうだった?」


「とても楽しかったです……!」


「そっか。仲良くなれたみたいで安心した」


私は本当に、周りの人に恵まれている。


女神の能力というものが目覚めたことをまだ受け入れきれていないけど、改めてそれを実感するいい機会だったのかもしれない。


「鈴蘭の護衛については、昨日話した通りだ」