夜明さんがいてくれるんだ……そう思うと、怖いものなんて何もないくらい心強い。


それに……堂々としていなきゃ。


私は、夜明さんの婚約者として……ふさわしい人間になりたいから。


恐怖心が薄れて、自然と背筋が伸びた。


「ふふっ、この数日間で仲が深まったようで何よりです」


振り返ると、うしろにいた司空さんがにっこりと笑顔を浮かべていた。


は、恥ずかしい……。


「鈴蘭、竜牙がいる前でそんな可愛い顔をするな」


「……まだ夜明の豹変っぷりにはなれませんね……」


「黙っていろ。おい、鈴蘭を見るな」


「はいはい……」


呆れ気味の司空さんに、なんだか申し訳ない気持ちになった。