苦しそうに顔をしかめている夜明さんを見て、私の頭の上にははてなマークが並んだ。


「だから……できるだけ、俺を煽らないでくれ」


夜明さん……さっきから、何を言っているんだろう？


「理性？　煽る……？」


どちらももちろん知っている言葉だけど、言っている意味がわからない。


首をかしげた私を見て、夜明さんはなぜか顔を青くした。


「……鈴蘭、恋人同士はどうやって愛し合うと思う？」


「えっ……」


と、突然、何を言い出すんだろうっ……。


「お前の知っている知識の中でいい」


ためらったけれど、夜明さんが真顔で聞いてくるものだから、恐る恐る言葉にした。


「その……ハグや、キス、を……」