魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

鈴蘭が、びくりと肩を震わせたのがわかる。


記憶を見てきてもう十分にわかった。鈴蘭は何よりも母親に怯えていて、実際に反抗できなくなるようなことをされ続けてきた。


ずっとこのふたりに怯えて暮らしてきたと思うと、鈴蘭への同情心と、こいつらへの怒りが募る。


そして、ハッとした。


──俺も、こちら側だったと気づいたからだ。


『……わ、わかってる、そんなことしないよ……!』


そうだ……今この記憶の中で、鈴蘭がこんなことになってるのは……全て俺のせいだ。


俺が星蘭に騙されずに、鈴蘭を守っていれば……こんなことにはならなかった。


それに……今も鈴蘭は俺の隣にいてくれていたかもしれない。