想われていたという事実に、歓喜している自分がいた。
『ふふっ、リシェス学園の生徒たちもバカよね』
これはいつか……わからないが、俺と婚約して少し経った頃だろう。
リビングにいる星蘭が、上機嫌で語っていた。
……とんでもない女だ。
『みんなあたしの言うこと、簡単に信じるんだもん。まあ、あんた悪役ヅラだし……仕方ないか』
鈴蘭が少し顔立ちがきつく見えるのは認めるが、それは息を飲むほど美しいからだった。
とんでもない仮面をかぶって他人を騙し続けていた、この上っ面だけの女とは違う。
『いい? あたしとルイス様の邪魔したら……ただじゃおかないから。お母さんに言いつけちゃうよ』

