魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

くそ……これだから、頭の固い年寄りは……。


でも、俺にだって主張したいことはあった。


「僕は……婚約者に、騙されていたのです」


「……女神の生まれ変わりに騙されただと?」


祖父の眉間のシワが、ますます濃くなった。


「いえ、違います。僕が2度目の婚約をした……生まれ変わりの妹です」


話を聞く気にはなったのか、じっと俺を見ている祖父。


「今回女神の生まれ変わりだと判明した双葉鈴蘭の妹、双葉星蘭は……僕を騙していました。私は彼女から、鈴蘭は卑劣な人間だと聞いていたのです」


あいつさえ、いなければ……。


「そして……生まれ変わりは鈴蘭ではなく、星蘭だと信じてしまいました」