魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~


また耳を押さえたくなったが、我慢して理由を話した。


「知らないままで、鈴蘭を受け入れてやってほしかった」


鈴蘭は俺の両親に受け入れてもらえるかどうか、ひどく心配している様子だった。


だからこそ……女神の生まれ変わりだから歓迎するのではなく……ただのひとりの人間として、迎え入れてやってほしかった。


「鈴蘭も、そのほうが安心するだろ」


母親も納得したのか、頬を膨らませながらもそれ以上は何も言わなかった。


「それで……これからどうするかについてよね」


俺も、話したかったのはそこだ。