魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

鈴蘭は世話係ふたりの顔を見て安心したのか、ぱあっと顔を明るくさせている。


「かしこまりました。鈴蘭様、ご案内いたします」


「鈴蘭、先に入浴してこい。ここで待ってる」


優しくそう言えば、鈴蘭は頷いて、世話係と一緒に出ていった。


リビングを出る間際、小さくお辞儀した鈴蘭。


可愛い……そういえば鈴蘭は礼儀がちゃんとしているが、どこで教わったんだろう。


あの腐った両親が鈴蘭に教えたとは思えない。


鈴蘭が出て行った途端、母親は勢いよく立ち上がった。


多分、怒鳴られるに違いない。


「ちょっと!! あんた、どうして先に言わないの!?」


案の定、母親は激怒している。


うるさい……。