魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

うるさい……と思いながら、耳を押さえる。


「さっき判明したんだ」


「た、確かに……魔族じゃない子にしては、髪色が少し浮世離れしていると思ったのっ……」


魔族の中にはいろんな髪色のやつがいるが、日本人で地毛が派手な人間は珍しい。


「さっき判明したばかりで、本人も戸惑っているんだ。あまり追及はするな」


そうは言ったが、聞きたいことは山ほどあるんだろう。


母親も親父も、動揺が隠し切れていない。


仕方ない……。


「おい」


俺は寮から同行させた鈴蘭専属の世話係を呼んだ。


「鈴蘭を風呂に連れていってやってくれ。夕食までに済ませるように頼む」