魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

「何回会わせてって頼んでも、言うこと聞いてくれなかったのよ! 昨日だって断られたばっかりなのに……急に帰ってくるなんて、何かあったの?」


「ああ」


俺はようやく話せると思い、口を開いた。


「鈴蘭が……女神の生まれ変わりだった」


俺の言葉に、ふたりは固まった。言葉通り。


「……は?」


父親に至っては、声も出ないのか、いつも以上に間抜けな顔をしている。


まあ、驚くのも無理はないか……。


千年に一度現れると言われている……もはや都市伝説扱いの女神が、自分の息子の婚約者だったなんて。


「はぁあああ!?」


母親の絶叫が、リビングに響いた。