魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

こんな顔をマスコミにでも撮られたら、総理の威厳がなくなるだろう。


そう思いながらも、家にいる時間だけが親父にとって安らげるひとときだということをわかっているから、何も言わない。


「こんなに食べたの久しぶりだわ~。うちはみーんな甘いものが苦手だから、一緒に食べてくれる人がいなくて寂しかったの。これからは鈴蘭ちゃんがいると思うと、嬉しいわっ」


母親の言葉に鈴蘭は喜んでいるのか、下唇を噛んだ後、照れくさそうに笑った。


はぁ……癒やされる。


「それにしても……どうして急に帰ってきてくれたの?」


ああそうだ……完全に忘れていた。