魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

まあ……鈴蘭が楽しいなら、俺も構わないが……。


今日だけだ……母親にだって、鈴蘭はやらない。


盛り上がっているふたりを前に、女神について話すタイミングを完全に見失ってしまった俺は、鈴蘭を見つめながらコーヒーを飲んだ。


 


話は尽きないのか、2時間ぐらいが経過してもなおふたりははしゃいでいた。


「どれも美味しかったです……!」


話よりも先に腹がいっぱいになったのか、鈴蘭はごちそうさまでしたと手を合わせた。


「そう言ってもらえてよかったわぁ~! またお茶会しましょうね!」


「ぜひ……!」


すっかり仲良くなったふたりに、親父はにこにこしっぱなしだ。