魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

テーブルの上にはティーカップやら菓子やらが大量に並んでいて、母親のはしゃぎっぷりが伝わってきた。


「お待たせ鈴蘭ちゃん! お茶にしましょうっ」


鈴蘭も本格的な茶会は初めてなのか、キラキラと目を輝かせている。


「さあ、好きなものを食べて!」


広いテーブルに、鈴蘭と母親が隣同士に座った。


俺は鈴蘭の前。母親の前に親父が座る。


「何か好き嫌いはある? 遠慮しないで言ってね?」


「いえ……好き嫌いは特にありません。甘いものは大好きなので、こんなにたくさん用意していただけて嬉しいですっ……」


言葉通り、鈴蘭は顔いっぱいに笑顔を咲かせた。