魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

俺もあいつらも、大したやつじゃない。それなりに反感も買っているし、目的のためなら手段を選ばないような卑劣さも持っている。


子が親に似るというのも、一概には言えないだろう。


あんな腐った親でも、鈴蘭は心優しい人間に育った。


だからその説に関しては、俺は信じない。


「鈴蘭にそんなふうに言われたら、あいつらも喜ぶ」


そう言えば、鈴蘭はまたにっこりと笑った。


……可愛い。


「もう少ししたら戻ろう。今頃母親が張り切って菓子でも選んでいるだろうしな」


本当は、もう戻らずに鈴蘭とずっとこうしていたい。