魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

夜明さんは優しくて、いい人すぎるっていつも思ってた。


こんなに素敵なお母さんに育てられたから、きっと夜明さんは素敵な人に育ったんだろうな……。


「ふふっ、こんなことで泣いちゃうなんて」


「俺の婚約者は繊細なんだ」


「夜明と違ってそうみたいね」


「黙れ」


不満そうに眉間にシワを寄せた夜明さんは、あろうことか私を抱きかかえた。


えっ……!?︎


「よ、夜明さっ……」


「部屋に行ってくる。また後でな」


私を抱えたまま、部屋を出た夜明さん。


ご、ご両親の前で、恥ずかしいっ……。


でも、本当によかった……。