魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

「ふふっ、まあ無駄話はこのくらいにして、一旦部屋に案内してあげなさい。実家に来るなんて、緊張したでしょうから」


お母さんは気を使ったようにそう言ってくれた。


「あんたが急に帰ってくるって言うから、お茶の準備もできてないのよ。もうすぐできるから、荷物を置いたら戻ってきなさい」


「あ、ありがとうございます」


夜明さんの優しさは……ご両親譲りなのかな。


初めて会ったばかりの私にも、こんなによくしてくれるなんて……。


さっきまでの不安が消えて、嬉しくて胸がいっぱいになる。


「そんなかしこまらないで~! これから家族になるんだから、ね?」


え……?


家族……?