「なんてこと……」 お母さんは声を震わせながら、立ち上がった。 そのまま、私の前まで歩み寄ってくる。 何を言われるのか、想像しただけで恐ろしくて、今にも溢れそうな涙を必死に堪えた。 「あらあらまあまあ……!!」 ……あ、れ? 心なしか、お母さんの声が明るいものに聞こえる。 次の瞬間、ぎゅっと強く抱きしめられた。 「なんて可愛い子なのかしら……!!」 えっ……? 予想外の反応に、お母さんの腕の中で目を見開く。