魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

まるで美術館のように、廊下にずらりと飾られている絵画や美術品。


中には知っている名画もあり、前を歩くのをためらってしまうほど。


転んでどこかにぶつかって壊してしまったら……大変なことになるっ……。


一歩一歩、慎重に歩く。


夜明さんは大きな扉の前で、足を止めた。


「……俺だ」


夜明さんのひと声で、ゆっくりと開いた扉。


えっ……! まるで魔法のような光景に、私は目を見開きながら開く扉を見つめる。


その先には……広い講堂のような場所が広がっていた。


「帰ってきたか」


ソファに座り、ティーカップを持ちながら、そう言った男性。


その人が誰なのか、すぐにわかった。