魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

車が停まり、夜明さんを見る。


まだ私の肩ですやすやと眠っていて、起こすのがかわいそうになった。


「あの、もう少し寝かせてあげたほうが……」


「いえ、その必要はありません。夜明、狸寝入りはやめなさい」


え……?


「夜明」


「……」


司空さんに名前を呼ばれて、夜明さんがゆっくりと目を開いた。


「……今起きた」


「嘘をつかなくていいです。全く……鈴蘭様、こんな気持ちの悪い男は放って行きましょうか」


「誰が気持ち悪い男だ」


「鈴蘭様の肩で寝ているあなた、口角が緩んでいましたよ」


よ、夜明さん、起きてたのかなっ……?


「あの、体調はどうですか……?」