魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

どう、して……。


『私も……お友達が、ほしいな……』


楽しそうに友人と話す星蘭を見て、ぽつりと呟いた鈴蘭。


胸が引き裂かれそうなほど、同情してしまう。


母親からも、何度も暴力をふるわれていた。


『ごめんなさい……ごめんなさい……や、やめてください!』


『あんたはあたしの引き立て役なのよ、わかった?』


俺は、どうして……星蘭の言うことを、簡単に信じてしまったんだ。


そう思った時、記憶が切り替わり、校内の非常階段の光景が広がった。


俺が、婚約を申し込んだ日……。


『お前は今日から、名実ともに俺の婚約者だ』


この日のことは、よく覚えている。