魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

私の返事に、司空さんは助手席から振り返った。


きょとんと、見たことがないような拍子抜けした顔をしている。


司空さんでもこんな顔するんだ……と頭の片隅で驚きながら、私は口を開いた。


「だって……そ、そんなこと、言わないとバレないのに、わざわざ謝ってくれるなんて……よっぽど正直な方なんですね……!」


本当に、驚きだ。


普通の人なら、きっと秘密にして、言わないでおくと思うのに。


司空さんはやっぱり、優しくて誠実な人だなぁ……。


「……あの、鈴蘭様」


「はい?」


「……い、いえ……」


何か言いかけた司空さんは、すぐに言葉を飲み込んだ。