魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~



そう思って夜明さんを見た時、私は様子がおかしいことに気づいた。


「……夜明さん?」


なんだか……顔が、青い?


「ん……?」


「顔色が悪いです……だ、大丈夫ですか……?」


やっぱり、体調が悪かったのかなっ……?


相当辛いのか、眉間にシワが寄っている。


「平気だ……心配しなくて、いい」


全然平気そうじゃないっ……。


「司空さん、夜明さんがっ……」


心配になって、助手席に乗っている司空さんに声をかけた。


「……そういえば、ブランの食堂で居合わせた生徒全員に記憶を共有したそうですね」


司空さんは驚いた様子はなく、むしろ呆れているように見えた。