魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

私が最後の挨拶に……と言って、一緒に家に帰った時。


司空さんが扉を開けてくれて、「どうぞ」と微笑んでくれた。


あ、相変わらず、広すぎる……。


「どうした? 奥に座っていいぞ」


夜明さんはそう言ってくれるけど、萎縮してしまって、恐る恐るソファに座った。


「出せ」


車が発進して、私は窓の外を見る。


そういえば……夜明さんたちと裏門からこっそり出てきたけど、まるで誰かから隠れているみたいだった。


夜明さんは有名人みたいだから、誰かに見張られてたりするのかな……?


マスコミがどうのこうのって、聞いたこともあるような……。


移動するだけで身を隠さないといけないなんて、大変だな……。