魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

人は幸福感で満たされると、言葉も出なくなるらしい。


それしか言えない俺は、ただ鈴蘭を抱きしめた。


「鈴蘭、何度もしつこい男だと思うかもしれないが、もう一度言ってくれないか?」


どうやら、俺は思った以上に欲張りな人間だったらしい。


鈴蘭は困っているのか、眉をハの字にして俺を見ている。


本人に自覚はないだろうが、上目遣いになっていて、心臓がバカみたいに暴れていた。


「は、恥ずかしいです、けど……何度だって言います」


顔を赤らめながら、俺を見つめる鈴蘭。


「私は……よ、夜明さんが、好き、ですっ……」


自分から求めたが、これは危険だ。俺の心臓が本当にもたない。