魔王子さま、ご執心!③~魔王子さまの寵愛はもう止められない~

贅沢だとはわかっているが、鈴蘭の口から聞きたい。


「夜明さんが……好きです」


歓喜のあまり、息が詰まる。


「鈴蘭ッ……」


力加減も忘れるほど強く抱きしめそうになって、慌てて踏みとどまる。


鈴蘭を壊さないように、できるだけ優しく抱きしめた。


「俺もだ……愛している。お前だけを」


鈴蘭が想像しているよりも何倍も、俺の愛はでかい。伝わらないことがもどかしいが、鈴蘭が俺を好きになってくれただけで、もう十分だった。


「俺の鈴蘭……」


夢じゃないと実感したくて、首筋に顔をうずめた。


鈴蘭がくすぐったそうに身を捩って、さらに愛おしさが溢れる。