部屋に入るなり、私はソファに腰を下ろし求人雑誌を開く。

食い入るように求人を探す。

今までだったら震えていた体も、今は高揚感にあふれている。


あの頃とは違う私。

今なら自分自身と向き合える気がする。



「あ……」



私は一つの求人ページで手を止めた。


そこはライブハウスのイベントスタッフ。

日雇いバイトから始められる、と募集要項に書いてある。

仕事内容などを気に入れば、そのままアルバイトや正社員登用もあるらしい。


……いいかもしれない。