『本当にしんどかったら辞めてもいい』



……本当は辞めたいよ。

逃げたいよ。


でも。



『辞める意味が見つかるまではもう少し頑張ってみよう』



仕事探しをやめる理由は私にはないから、今は頑張るしかない。



『仕事探しが出来なくても自分を責めないで』



責める前に、やれるところまでやるんだ……っ!


私は求人雑誌に手をかける。

ぎゅっとつかんで、私は求人雑誌を抱えた。

今までだったら震えていた手、体。


だけど、今は大丈夫。

震えていない。


一歩踏み出せたような気がして、心が躍っているようにさえ感じる。

私はそのことがすごく嬉しくて、嬉しくて、私は駆けるように瑠奈のアパートまで戻っていった。