それに加えて私の感情をぶつけてしまったら、悠はのびのびと夢を追いかけられないだろう。


本当は寂しかった。

悠が私や夢のために仕事を頑張ってくれていたのは分かっていた。

だけどその分、一緒に過ごす時間が短くなっていく。


分かり切っていたことなのに。

分かり切っているのに、ひとり、部屋で過ごす時間が寂しくて悲しくて、自分の感情を暗くさせた。



『悠、早く帰ってきてよぉー……』



そう言って布団に潜って泣く夜もあった。

それが何日も続いた。

“寂しい”の感情と“夢を応援したい”の感情が交差して、ぐるぐると私の心をかき乱していく。


練習の時間を確保してあげたいけど、一緒に過ごす時間も欲しい。

デートだってしたい。

ゆっくりと話す時間も欲しい。

だけど、そんなワガママを言ってしまえば悠が夢を諦めてしまう……。

私はワガママを言わないようにって一生懸命、自分の感情を押し殺した。