「佳奈と悠さんが喧嘩したなんてねぇ。珍しいね」

「そうかな」



瑠奈に一連の出来事を話す。


そう……。

喧嘩した理由は、悠が『夢を諦める』なんて言ったから。

だから口論になった。



『そんな簡単に諦められる夢じゃないでしょ!』



そういった私に、悠は。



『じゃあ、どうして欲しいんだよ⁉』



って、珍しく感情をあらわにした。

仕事のストレスとかも溜まっていたんだと思う。

だけど、私は夢を諦めてほしくて『寂しい』って言ったんじゃない。

ただ、悠が仕事をしている間のひとりの時間が寂しかったから、感情のままに言葉をぶつけてしまったんだ。


だけど、悠は優しいから私のために『夢を諦める』って言った。

そんな悠は好きじゃない。

だけど、そんな悠にさせてしまったのは私だった。


その瞬間、私が悠の隣にいたら悠は仕事に追われて、歌やギターの練習もまともにできない。


そう思った。