Re:スタート

瑠奈のアパートの部屋の前。


ピンポーン。

インターフォンを押して数秒後、ガチャっと鍵を開ける音と同時に扉が開いた。



「佳奈っ！」



半袖Tシャツに、ハーフパンツという夏らしい格好で飛び出してきた瑠奈。

そのまま私を抱きしめてくれる。

その温かさに、私は更に涙を流した。


今の私の顔はきっと酷いことになっているだろう。

涙でメイクもぐちゃぐちゃに崩れた顔で、自分でも痛々しいって思ってしまう。


瑠奈はそんな私の背中を支えながら、部屋の中まで連れて行ってくれた。


瑠奈の部屋は相変わらずきれいで女の子らしい部屋だった。

観葉植物やアンティーク調の小物が置かれていた。

そんな部屋に置かれているソファに瑠奈は私を座らせてくれた。


ソファの前のローテーブルに、さり気なくティッシュボックスとココアの入ったマグカップを置いてくれた。

ありがとう、と呟きながらマグカップを手に取り、ココアを口に含む。

マグカップは私の震えていた手を、温かく包み込んでくれているような気がした。