翌日。

俺は工場の仕事が終わった後、部屋に帰る。



「ただいま」

「おかえりっ」



待っていたよ。

そんな温かい雰囲気で迎えてくれる佳奈に、変にドキドキしてしまう。

これから告白しようと決めたからかな。


俺はまともに佳奈の顔を見れないまま、タンスから私服を取り出しジーンズとカジュアルシャツに着替える。

着替え終わった俺はリビングのソファに座っていた佳奈に声をかける。



「出掛けるよ」

「え? どこに?」

「……秘密」



戸惑いながらソファから立ち上がる佳奈が俺に近づく。



「私も着替えたほうがいい?」

「佳奈はそのままでいいよ」



俺は作業着から、いつもより少しおしゃれな服に着替えただけだ。

いつもよりおしゃれをした俺に気づいたのか、佳奈は『やだっ! 私も着替えてくるっ』と言って隣の部屋で着替え始めた。