幸せな日々だけど、もっと幸せを求めてしまう俺。

ベッドに二人、腰かける。


うとうとしはじめる佳奈の横でギターを手にし、まだ作り途中の歌を口ずさむ。

こくこくと首を揺らす佳奈をベッドに寝かせる。

すやすやと寝息を立てる佳奈の寝顔が可愛くて仕方がない。

頭を撫でると頬を緩ませる佳奈が欲しくなる。



「俺らの関係に名前を付けるとしたらなんだろうな」



そんな呟きは小さく消えた。

俺はいつの間にか佳奈に恋に落ちていた。

いや、初めて会ったときから恋に落ちていたんだろうな。


心の底から好きだ。


もし、佳奈に気持ちを伝えたら佳奈はなんて答えるだろうか。

困らせてしまうかもしれない。

この一緒の時間も過ごせなくなるかもしれない。

だけど、このまま曖昧な関係じゃ嫌だ。


俺は壁にかかっているカレンダーに目を移す。


明日は居酒屋のアルバイトは休みだったよな……。

……夜景を見せに連れて行ってあげようかな。

そこで、俺の気持ちを伝えよう。


覚悟した俺はギターをケースにしまい、佳奈の隣で眠りについた。