俺は立ち上がり、佳奈の涙をぬぐう。



「俺と結婚してくれる?」



こくこく、と何度も大きく頷く佳奈。

俺はそんな佳奈の左手を取り、その細い薬指に指輪をはめた。



「佳奈のこと、俺の人生をかけて幸せにするから」



佳奈が俺に思い切り抱きつく。

その腕は俺の背中に回り、ぎゅっと俺を抱きしめてくれる。



「私も……っ。悠のこと愛していますっ」

「うん。俺もだよ」

「私と結婚してください……っ」



愛しい存在。

誰よりも大切にしたい存在。

俺はこの手で、なにがあっても佳奈の幸せを守り抜くと、ここで誓うよ……。

もう二度と離さないから……。


fin.