「大丈夫かっ?」



佳奈の体を支えながら、焦る俺は声をかける。

佳奈は曖昧な微笑を浮かべながら頷いた。



「大丈夫。ちょっと、立ちくらみがしただけ……」



佳奈は俺から離れた。



「明日のライブの準備も早く進めないと」



そういう佳奈の目の下には、よく見ればうっすらとくまが出来ていた。


……本当に大丈夫なのか?

心なしか、体も熱かったような気がするし……。

何度も『休んだ方がいい』って言っても『大丈夫』と言い続ける佳奈に、俺は心配になった。