そしていよいよ当日。

俺たちは車に乗って移動をしていた。

運転は佳奈がしてくれている。

完全に2人きりの車内。

これがデートだったら、もっとワクワクしているのだろうけれど、今は仕事だ。

ワクワク、といより、緊張でドキドキしている。



「悠。今日のプランを話すね」

「うん」

「今日は現地に向かって、予約していたライブハウスでリハーサル。その後、明日ライブがあることを現地の人に伝え歩くの」

「2人で?」

「そう。まあ、悠はできるだけ明日に備えて休んで欲しいから、主に私がやるから」

「分かった。今日から改めてよろしくな」



そういう俺に一瞬顔を向けた佳奈は微笑んで言った。



「よろしくねっ」