意味が分からなかった。

俺が佳奈以外の子を好きになる日がくるなんてあり得ない。


俺は佳奈のことが好きなのに。

悲しい。

悔しい。

どうしていいのか分からない。


感情の整理がつかない俺に、佳奈は2人の関係に終わりを告げる。



「私は。……これから新しい彼氏のところに行くから」



目の前が真っ暗になった。


新しい彼氏?

いつの間にそんな奴を作ったんだよ。

新しい彼氏がもういるってことは、ずいぶん前から俺を騙していたってことか?


考えたくないけど、そういうことだよな。



「……勝手にしろよ」



悲しみのどん底から怒りが湧いてきて、気が付けばそんな言葉を口にしていた。



「勝手にするよ」



そう言って、佳奈は一度も振り返ることもなく玄関を出て行った。