「瑠奈。私、新しく住むところ決まったよ……っ」

「え、そうなの⁉」

「うん。今の会社の社長が、社宅を用意してくれたの」



そういうと、瑠奈の目はうるうると潤みだした。

その目を見ていると、私まで泣きそうになった。



「よかったね、佳奈っ」

「今まで、本当にお世話になりました……っ」

「嬉しいことなんだけど、寂しくもなるね」



そう言って、涙目で笑う瑠奈。

寂しくなるけど、いつまでもお世話になっていられない。


でも、瑠奈と一緒に過ごした時間も幸せな時間だった。


私は瑠奈に今日あった出来事を話す。


会社のこと。

坂本さんのこと。

職場の先輩たちのこと。


自分でもわかるくらい、今、私はきらきら輝いていると思う。

それが瑠奈に伝わったのか、瑠奈は涙ぐみながら微笑んでくれた。



「佳奈が頑張ってきたから、今の会社と巡り会えたんだね」

「……うんっ!」



そう言ってくれる瑠奈への感謝も大切にしながら、頑張っていこう……。