「えっと……、」

「その通りよ。いくら原石でも、心に響く歌を届けても、その人自身が輝いていないと意味がない」

「……」

「輝くってことは、“自分”というものを全身で表現できているかどうかなのよね」



坂本さんの言葉には重みがあった。

自然と納得をしてしまう、そんな言葉だった。

私が頷いていると、坂本さんは柔らかく笑って言った。



「やっぱり、あなたと働けて良かったわ」

「え?」

「私は深山さんの考え方が好きよ」



そう言って坂本さんは、『次の場所を案内するわ』と言って歩いていく。

私は慌ててその後を追う。


……私も。

坂本さんと働くことができて嬉しいです。

坂本さんの考え方、私も大好きですから……。