泡沫の夢の中で、一寸先の幸せを。【完】


ヒマワリ畑を周り切る頃には1時を過ぎていて、お腹も空いたねって事で公園を出て近くのレストランに入る。

ヒマワリが大きかったからそれが影を作ってはくれていたけど夏真っ盛りの今日、気温は高くとても暑い。クーラーの効いたレストランに入った瞬間はそのひんやりとした空気にとても心が和んだ。


「何食べる?」

「色々あって迷うけど、暑かったから冷製パスタがいいかなぁ」

「俺もそう思ってた」


メニューにはハンバーグやグラタン等様々な料理が載っているけれど、今は冷たい食べ物が食べたい気分の私たちは揃って冷製パスタを注文した。

料理が運ばれてくる間、撮った写真を見返しながらブレてるだの不意打ちだのいい写真だの話して、程なくして運ばれてきたトマトの冷製パスタを二人で美味しいねって食べる。

食後はアイスも食べちゃおうって事で私はストロベリーの、拓海は抹茶のアイスを追加で注文した。


レストランを出た後はせっかく隣町まで来たのだから、とその街にある大きなショッピングモールへと行って色々なお店を見て回った。
モール内にあるゲームセンターではシューティングゲームをしたり、クレーンゲームに1000円以上注ぎ込んだりして遊びまくった。


「佳乃クレーンゲームの才能無さすぎ」と私がプレーする様子を見ていた拓海はそう言ったけど、そういう拓海も一つも景品をゲット出来ていなかった。私がそれを指摘すればシューティングゲームではハイスコアを出したからいいのだと謎の理論を返されて、シューティングゲームでもスコアを残せなかった私は少しだけ悔しかった。

そうやってたくさん笑って過ごした時間は本当にあっという間で、バスに乗って帰ってくる頃にはもう日が沈む直前だった。