泡沫の夢の中で、一寸先の幸せを。【完】


海側にある防波堤から小さい道路を挟んですぐのとこにあるコンビニ。

二人で自動ドアを潜れば「っしゃっせー」という店員の気の抜けた声に迎えられ、アイスコーナーへと向かった。


「佳乃どれがいい?」


並んでアイスを選ぶ私たち。

どれも美味しそうだけど、どうせならやっぱり一番アイスっぽい物を食べたい。


「これにする」

「ははっ、やっぱり」


選んだアイスを見た拓海が楽しそうに笑う。


「やっぱりって?」

「佳乃はいつもそれだから」

「⋯好みは変わらないんだよ」

「うん。そうだよな」


記憶がなくても好きな物は変わらない。
好きだった記憶はないかもしれないけど、好きな物は好きだから、好みが変わる事はない。場所にしたって、味覚にしたって、何だって。


「じゃあ俺もそれ」

「一緒のやつにするの?」

「二本買った方が確率もあがるから」

「確率って?」

「まだ内緒」


どうやら何かの確率を上げたいらしい拓海はその内容をまた質問される事から逃げる様にさっさとレジに行ってしまい、私は首を傾げながらその後を付いて行った。