泡沫の夢の中で、一寸先の幸せを。【完】



学校に着くとガヤガヤした教室で私は一人だ。
周りは友達と話したりしているけれど学校での私はまるで透明人間のようになる。

それは周りが望んだ事でもあり、私自身が望んだ事でもある。

18年間で学んだ事の一つ。

友達は作るべきではない。

私にも小学生の頃は友達と呼べる存在がいた。
だけどその子たちを覚えていられるのは七日間だけ。金曜日が終わって、土日を挟んで月曜日になると私はつい三日前まで笑って話していた友達の名前を忘れてしまう。

また、自己紹介をして、友達になって、一緒に遊んで、金曜日を終えて。

また、忘れて────。

こんな生活が長く続くはずがなかった。

低学年の頃はまだ、物珍しさや小さい子特有の無邪気さでなんとかなった事も中学年、高学年になるに連れて段々と上手くいかなくなった。皆が私のことを疎ましがった。

だって面倒くさいだろう。

一週間ごとに自己紹介をして、仲良くなって⋯一々やっていられない。

低学年の頃はクラスメイト皆が仲良くしていたとしても、高学年になると自然と仲の良いグループは出来ていく。

どんどん仲は深まっていく。

一々私の相手をしてくれるグループなんていなかった。
皆は時間を共にする度に仲良くなるのに、私は精々七日間の仲。

友達と呼べる存在は一人また一人と私の周りからいなくなっていった。