泡沫の夢の中で、一寸先の幸せを。【完】


「⋯えっと、」

彼の顔立ちに見蕩れていると、目尻を下げた彼が緩やかな笑みを浮かべる。

「俺、今高三なんだけど、って言っても親の転勤の都合で今年からこっちに越してきたばっかで」

「⋯」

「それで、あそこのバス停に止まるバスで登下校してるんだけど、バスから降りた帰り道、ここに座るアンタの事をよく見掛けて」

「⋯」

「なんて言うか凄く、綺麗だなって思った」

こんな事初めて言われて、頭の中はだいぶパニックになった。

だから確かに私が通学する時に通る海沿いの道路にはバス停があったなぁとその前の彼の言葉を思い出しては真っ直ぐ過ぎる言葉から気を逸らして⋯。

熱を持つ頬はきっと気のせいに決まっている。