泡沫の夢の中で、一寸先の幸せを。【完】


「これからもよろしくって言ってくれるの?」

「当たり前じゃん」

「この先も私と一緒にいてくれるの?」

「佳乃の隣は誰にも譲らないよ」


ふわりと笑う拓海がぼやけていく。

目に浮かんだ涙はじわりじわりと視界を滲ませていく。


「⋯私、誕生日って好きじゃなかったの」

「⋯好きじゃなかったの?」

「歳を重ねた分だけ忘れていく思い出も多いって突きつけりてるみたいで、怖かったの」

「⋯うん」

「でも、もう怖くない。拓海が祝ってくれる日を、私も大切にしたいっ。好きになりたい」

「これからもずっと祝い続けるよ。来年も再来年も、ずっと」


好きじゃない日も、きっと拓海が一緒なら好きになれる気がした。

怖い未来も、拓海が隣にいてくれるなら乗り越えてゆける気がした。