泡沫の夢の中で、一寸先の幸せを。【完】


「ごめんね。本当に⋯。こんな姉でごめん。私と家族な事で彩乃にはたくさん迷惑掛けたし、傷付けたよね、本当にごめんなさい」

「⋯」

「忘れてしまう私より、そんな私の傍にいる彩乃の方がずっと辛くて苦しいはずなのにいつも私は自分の事ばかりで、彩乃の気持ちなんて考えずに今も傷付けてる」

「⋯」

「そんな自分が情けなくて大っ嫌いで⋯、だけど、こんな私でも彩乃のことを傷付けたいって思ってるわけじゃない。彩乃の記憶を失ってしまっても、毎日私は彩乃が大好きだなって思うの」

「私のことを⋯?」

「妹だから⋯、なのかもしれない。でも彩乃だからなの。私の妹が彩乃だから私は彩乃が大切で⋯」

「⋯っ」

「彩乃が怒るのも無理ないし、こんな姉嫌だよね⋯?」

「⋯」

「だけど応援させて欲しかった。彩乃が頑張ったものを見たかった」


拙い言葉で必死に言葉を紡ぐ私は彩乃の目にどう映っているんだろう。

こんな事言われても⋯と呆れているかもしれないし、私がどれだけ本音を話そうとこの先も家族として私のこの記憶を失ってしまう症状と付き合っていかなければいけない彩乃は嫌気すら感じているかもしれない。

怖かった。だけど、私は彩乃から目を逸らさずにいた。