【短編】『大嫌い』と呟いて、『大好きだよ』ってこぼした



「おっはよー、ひーよっりちゃん♡」

びく 



「あのね〜日和ちゃん、私、あんたの好きな人と付き合うことになったのぉ
 全然アピールとかしてないのに、勝手に好きになられて告白されるとかチョー迷惑ぅ」

「だよねー」
「アキラは可愛いからなー」
「でも、あいつ顔はいいのに行動はキモいよね」
「ねー、日和ちゃんみたいなブスと一緒にいるし」



キモい?

どの口が言ってるの。


知らないくせに。
あいつがどれだけ優しいかも、暖かいかも、知らないくせに。

 

「今日から一緒に帰ることになったんだー
 だからもう、守ってもらえないね?捨てられたんだよ、お前は」


いいよ。 

あんたみたいなやつにバラされる前に、自分から別れを告げたから。


いまさら…傷ついたりしないよ。