憂鬱な雨は、キライ。



 私の瞳から、雫がこぼれ落ちた。


 次から次へと溢れて止まらない。


「…えっ、お前なんで泣いてるの!?」


 私が泣いていることに気づいて、焦ったような声を上げた。


「ひくっ…だ、だって…」


 私が私を演じていることを、誰も気づいていないと思ってた。


 でも、ここに気づいてくれていた人がいた。


 そして、私が今、1番欲しかった言葉をくれた。


 それが嬉しくてたまらない。


「…ありがとう」


 と、自然に言葉が口から出た。


 今まではキライだった憂鬱な雨も、これからは好きになれそうだ。


 そして、本当の私のことも。