憂鬱な雨は、キライ。

 

 雨が窓に打ち付ける音のみが響く静かな教室。


 私もこいつの間に、なんとも言えない雰囲気が漂う中。


 学校の事務の先生らしき人の、「そろそろ帰りなさい」という言葉で、私たちは教室を後にした。


「お前、帰りどうすんの?」


 私よりも先に靴を履いて、後ろを振り返ってそう言った。


 私は靴を履きながら、


「…どうすることもできないでしょ。ていうか、あんたはどうするのよ」


 こいつも傘を持ってなかったはず…だったのに、なぜか大きな黒い傘を広げていた。


「…俺は傘、持ってるし」


「…は?持ってないって言ったじゃん」


 さっき、教室で持ってないって言ったはず。


 でもなんで今こいつは傘を持ってるの?


「まー…お前と話したかったからさ」


 私と、話したかった?


「それって、どういう…」


 と私が聞くが、そんなのにはお構いなしに、